致死率の高い「髄膜炎」を予防するヒブワクチンの重要性について解説。原因・症状・治療・予防法から高確率で後遺症が出る恐ろしい病です。
目次
髄膜炎とは?
ヒブワクチン接種を怠る場合「髄膜炎」に感染する可能性があります。名前は聞くけどよく知らない髄膜炎について解説していきます。
髄膜炎とは?原因は?
髄膜と呼ばれる頭蓋骨と脳の間に存在する「膜」のことを髄膜と呼びます。
頭蓋骨→硬膜→くも膜→軟膜→脳
この赤字部分の3層の膜を髄膜と言います。
この髄膜に細菌・ウイルスが感染して炎症が起きると「髄膜炎」となります。
髄膜炎はウイルス性と細菌性の2つあり、とくに細菌性髄膜炎は非常に重症化しやすく危険です。
髄膜炎は現代でも発症する病で致死率が20%前後と高く、治療できても高確率で脳神経麻痺・知的障害などの長く重い後遺症を残すことがあります。
初期症状が風邪に似ているので安心していると、一気に「重症化」してしまう進行が早い感染症です。
実は健康な人も持っている細菌で
誰でも感染する可能性があります
髄膜炎になりやすい年齢は?
日本国内で髄膜炎に掛かる年代は
- 0歳〜4歳の乳幼児
- 15歳〜20歳の思春期
- 40歳から徐々に上がり55歳〜60歳が最も高く徐々に減っていきます。
このように3つの年代で大きく感染確率が上がります。
髄膜炎の症状
風邪に似ている初期症状に注意
初期症状(発症後12時間以内)は発熱・頭痛・嘔吐から起きます。軽い症状なので判断しづらいです。
そこから一気に症状が悪化し
発症後13時間ごろには
- 痙攣
- 意識障害
- 頸部硬直(首の硬直)
- 皮下出血
- 発疹
- 呼吸障害
- 光を以上にまぶしく感じる
など普段とは大きく異なった症状が起きます。
高い確率で起こる後遺症
髄膜炎菌は通常の100倍〜1000倍のスピードで増殖するため一気に全身の正常な機能を破壊し高い確率で後遺症が残ります。主な後遺症は
- 壊疽による手足の切断・全身に痣。
- 耳が聞こえにくい
- 痙攣
- 麻痺
- 知的障害
- 神経伝達の障害
とかなり重くつらい後遺症が残ります。
髄膜炎の治療法
ウイルス性と細菌性で大きく違う治療方法と後遺症
ウイルス性髄膜炎なら一週間程度の入院と安静。水分補給目的の点滴、抗生剤を使用すれば、完治して後遺症もほとんどありません。
細菌培養によって細菌性髄膜炎と診断された場合は抗生剤の点滴を中心に集中治療を行います。しかし現在の最善の治療を行なっても死亡率はWHOの発表で20%前後と高く、後遺症もほとんどの患者さんに起きます。
髄膜炎を予防するには?
- ヒブワクチン
- 小児用肺炎球菌ワクチン
この二つワクチン摂取によって細菌性髄膜炎がほぼ予防できます。2015年から日本でも予防接種ができるようになったので乳幼児の間の早めの接種が望ましいです。
学校生活が起きると感染確率が一気に高くなるので迷う前に予防接種を。